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WSD-F10 開発者インタビュー

アプリ開発 編

実用性を高め、 アウトドアの楽しさを広げる。
ユーザー目線で 開発された オリジナルアプリの数々。

目指したのは 十徳ナイフのような使い勝手

——— WSD-F10には、アウトドアで役立つ機能がたくさん搭載されています。これらについて、アプリの開発を担当した今村さん、岡田さんに話を伺いました。

 今村:ひとたびアウトドアに足を踏み入れると、自分を取り巻くコンディションは刻々と変わります。その変化を知りたいときに役立つのが「TOOL」という機能。WSD-F10にとって最も基本的な機能のひとつといえます。

 岡田:計測できるのは、方位、高度、気圧、日の出・日の入り時刻、タイドグラフ、活動グラフの6種類。さらに、画面をスワイプすることで、過去24時間の高度/気圧グラフや、日の出日の入りの方位、釣れやすい時間帯を確認できるフィッシングタイム画面にも切り替えることが可能です。ひとつひとつの機能はシンプルですが、「TOOL」の魅力は、これらを自在に操る使い勝手の面にあります。

 今村:開発時のイメージは、ずばり十徳ナイフ。万能ツールとして、様々なシーンでサッと取り出し、その場に応じた道具をチョイスできるのが最大の利点です。「TOOL」はスマートでありながらも、シンプルで直感的なものを目指しました。

 岡田:各計測の開始や切り替えは、右上のボタンで行います。設定で使わない機能を非表示にしたり、表示の順番を変えたりすることができるので、より自分にあった使い方ができると思います。

 今村:また、十徳ナイフには、取り出し方にギミックがあるのも特長のひとつ。それに対し「TOOL」では、表示する際のグラフィックにこだわり、磨き抜かれた道具がスムースに飛び出してくるかのように、ボタンを押した際の起動画面に動きをつけることで、ユーザーの期待感を高める工夫もしています。

新規事業開発部

今村 圭一

新規事業開発部

岡田 健

——— 実用性はもちろん、エモーショナルな部分にもこだわったということですね。それでは、それぞれの計測機能にはどのような特長があるのでしょうか。

 岡田:方位計、高度計、気圧計は、トレッキング愛好家にはおなじみ。方位計で目標方向を確認したり、高度計で今いる場所の標高を調べたり、気圧の変化から今後の天候を予測したりするのに役立ちます。

方位計測方位計測

高度計測高度計測

気圧計測気圧計測

TOOLの画面切り替え例

各TOOLはスワイプで画面を切り替えることが可能です。
※ 方位・活動グラフを除く

高度計測高度計測

高度グラフ高度グラフ表示

スワイプ
切り替え

 今村:日の出・日の入り時刻は、単に夜明けや日没の時間を知らせるだけでなく、その前後の脚元の明るさも表現しています。また、夜明け前にどちらの方角から陽が昇ってくるか、日の出の方位を読み取る機能も搭載しています。
タイドグラフやフィッシングタイムは、釣りをする人におすすめ。干潮や満潮のタイミング、月の満ち欠けと時角によって計算される魚の釣れどきを参考にしながら、ポイントや仕掛けを考えることができます。タイドグラフの港は専用のスマートフォンアプリ「CASIO MOMENT SETTER+」で数多くのポイントから選択することができます。
活動グラフは、今日1日の中で自分がいつどんな活動をしていたかを知ることができるというもの。独自のアルゴリズムにより、走る・歩く・自動車や車などの乗り物に乗る・静止、の4タイプの状態を感知し、各々の活動時間が色別のグラフで表示され、1日の行動履歴が一目でわかります。アウトドアアクティビティの振り返りに使えるのはもちろん、日常生活の中で使っても楽しめるツールです。

日の出・日の入り時刻日の出・
日の入り時刻

航海薄明開始/終了時刻とは、日の出前や日の入り後、太陽が水平線や地平線の下にあるときでも、空がうっすらと明るい時間帯のことで、太陽高度が水平線/地平線下およそ6~12度の間にある時間帯を指します。これにより、例えば夜明けを待っている時に脚元が薄ら明かりになる時間が分かります。また、方位画面に切り替えれば、その後日が昇ってくる方角もわかります。

タイドグラフ

タイド
グラフ

フィッシングタイム

フィッシング
タイム

スワイプ
切り替え

活動グラフ活動グラフ

 岡田:ここで紹介した使い方はほんの一例です。どのシーンでどの機能を使うかは人それぞれ。気圧変化を偏頭痛予防の目安にしたり、方位計を街歩きに使ったり、日常でも存分に使えるポテンシャルを秘めている。それが「TOOL」という機能の最大の見所だと思います。

——— コンパクトサイズにこれだけの機能が搭載されていると、アウトドアの様々なシーンで重宝しそうですね。また、日常で使ってみたくなるのもわかる気がします。


気づきから生まれる 新たなアウトドア体験

——— アウトドアで役立つ機能について、「TOOL」のほかには、どのようなものがありますか。

 今村:「ACTIVITY」と「MOMENT SETTER」というアプリを開発しました。さきほどお話しした「TOOL」が、十徳ナイフのように、自らの経験とスキル次第で使い方に差が出る機能だとすれば、「ACTIVITY」と「MOMENT SETTER」は、アウトドアにおけるガイドやパートナーのように、いつもそばにいて頼りになるアドバイスをくれる存在だといえます。

 岡田:まず「ACTIVITY」ですが、これはアウトドア中の状況変化をリアルタイムに表示する機能です。対応するシーンは、トレッキング、サイクリング、フィッシングの3種類。それぞれの行動中に役立つ様々な情報が、液晶画面にマルチ表示されます。

 今村:たとえば、トレッキング。標識のない登山道を歩いていると、自分が置かれた状況が把握しにくく、コースタイム通り行動できているか不安になる場合があります。そんなとき、手元を見るだけで、スタートからの経過時間や移動距離がわかれば安心して行動できます。ゴールまでの残り高度もわかるので、モチベーションのキープにも役立ちます。

TrekkingTrekking

Trekking Do

 今村:サイクリングなら、移動速度や距離の変化がリアルタイムにわかる。体調はもちろん、走る道や時間帯によって、気持ちよく走れる日もあれば、つらいと感じる日もありますが、そんな感覚の違いを、走り終えてから総合的に判断するのではなく、その場その場で確認できるのか特長です。

CyclingCycling

Cycling Do

 今村:最後に、フィッシング。自然と魚が相手となる釣りでは、状況が1日の中でも刻々と変化し、それに対応した行動が釣果を左右します。なかでも、気圧が下降傾向になると、魚の活性が上がるといわれ、気圧変動グラフは活用度が高いですね。うまく使うことで、数少ないフィッシングタイムを的確に掴むことができると思います。

日の出・日の入り時刻Fishing

日の出・日の入り方位

——— 「ACTIVITY」を使うだけで、アウトドアがさらに楽しくなりそうです。それでは、「MOMENT SETTER」は、どのような機能でしょうか。

 岡田:ひとことでいうと、アウトドアにおいて必要な情報を必要なときに通知する機能です。さきほどの「ACTIVITY」とセットで使用することにより、状況変化をリアルタイムに計測しながら、特定の状況になったときにタイムリーな通知を行うことが可能になります。

 今村:アウトドアには、その日、その場所でしか味わえないイベント、知っておくべきタイミングやチャンスがあります。登山なら山頂でのご来光、自転車なら休憩や補給、釣りなら満潮時刻というふうに。時間を忘れて夢中になるあまり、こうした瞬間を逃してしまった経験がある人も多いはず。「MOMENT SETTER」は、気付かなければ通り過ぎてしまうかもしれない、いわば“瞬間の価値”を提供するというコンセプトで開発しました。

 岡田:そうした想いはネーミングにも込められています。「MOMENT」は瞬間、「SETTER」はセッター犬という猟犬のこと。狩猟の際、獲物の存在を主人に知らせる役割を通知機能に見立て、アイコンにも犬のマークを取り入れました。

MOMENT SETTER ICONMOMENT SETTER アイコン

 今村:通知する条件や表示する内容は、スマートフォンで設定します。「日の入りまであとXX分」「XXキロ走ると休憩」「満潮まであとXX分」など、30項目以上のアクションリストを用意しました。もちろん、複数の条件を設定することもできます。なかには、「消費カロリーが500kcalごとに補給」や「歩数XX 歩ごとに休憩を通知」などユニークな設定もあったりします。様々な場面で気づきを与えてくれる、相棒のような存在としてぜひ色々ためして使ってみてほしいです。

MOMENT SETTER UIアプリ設定画面

予定時刻通知予定時刻通知

タイミング通知タイミング通知

チャンス通知チャンス通知

——— 様々な通知機能は、使い方次第で新しい発見もありそうです。また「TOOL」「ACTIVITY」「MOMENT SETTER」それぞれに対し、ユーザーへの気配り、開発者としての熱意が込められているのが感じられるお話でした。


冒険心をその手に、 時計表示のこだわり

——— 計測や通知などの機能に続き、時計の“顔”ともいえる時計表示について伺います。

 今村:スマートウオッチの特長のひとつに、時計表示をカスタマイズできるという機能があります。WSD-F10にも、オリジナルの「WATCH FACE」を用意しました。スマートアウトドアウオッチというネーミングにふさわしく、時刻と計測機能を同時表示したり、アウトドアテイストのカラー・デザインを採用したり、よく目にする基本表示だからこそ、ほかにはない表現を追求しています。

 岡田:まずは「コンビ」とよばれるフェイスデザイン。日付・曜日・時刻に加え、現在の気圧と高度傾向グラフを同時に表示します。また、今までに到達した最高高度が表示されるのもポイント。次のチャレンジの指針にするもよし、自らの達成を証明するトロフィーとして眺めるのもよし。冒険心をくすぐる仕様になっています。
「高度」は、高度表示をメインにしたウォッチフェイス。これまでに登った最も高い高度に対し、現在の高度と過去24時間の高度変化をグラフで表示し、実績や履歴を直感的に見ることができるので、トレッキングや自転車のヒルクライムなど、高度変化のあるアクティビティに使えるのはもちろん、例えばウィークデーでも、週末に登った山の最高高度と今いる地点の高度の差を知ることで、アウトドアの世界観を身近に感じることができます。

コンビコンビ

高度高度

——— 計測や通知などの機能に続き、時計の“顔”ともいえる時計表示について伺います。

 今村:「オーセンティック」と「フィールド」は、クロノグラフフェイスを再現したもの。時分秒をアナログで表現し、時刻を直感的に確認できるのが特長です。一方、「マルチ」はデジタル表示。G-SHOCKファンにはおなじみとなっている、3連のインダイアルが並んだトリプルアイをモチーフにしました。
いずれも、インダイアル部分で気圧・高度・コンパスといった環境情報に加え、消費カロリーや歩数計、時計またはスマートフォンの電池残量などの情報を表示できます。どこにどの数値を表示するかは、各インダイアル部分をタップしてもよいですし、専用のスマートフォンアプリ「CASIO MOMENT SETTER+」からも設定できます。カラーも3色から選べ、ファッションに合わせたり、その日の気分をフェイスに反映することができます。

オーセンティック12

オーセンティック

オーセンティック

オーセンティック

  1. 1第1メーター:
    コンパス、高度計、時計の電池残量、歩数計
  2. 2第2メーター:
    コンパス、気圧計、携帯電話の電池残量、消費カロリー

フィールド12

フィールド

フィールド

フィールド

  1. 1第1メーター:
    コンパス、高度計、時計の電池残量、歩数計
  2. 2第2メーター:
    コンパス、気圧計、携帯電話の電池残量、消費カロリー

マルチ123

マルチ

マルチ

マルチ

  1. 1第1メーター:
    高度計、気圧計、時計の電池残量、スマートフォンの電池残量
  2. 2第2メーター:
    高度計、気圧計、時計の電池残量、スマートフォンの電池残量
  3. 3第3メーター:
    コンパス、歩数計、消費カロリー

 今村:「世界時計」は、ワールドタイム機能を搭載したウォッチフェイス。ホームタウンに設定した都市と今いる都市の時差が、視覚的にわかるのが特長です。中央の世界地図と、外周に表示された2都市の位置関係が連動しており、角度の開き具合やグラフィックアローの長さが、そのまま時差の目安となります。海外旅行はもちろん、海外でのアウトドアシーンでも役立ちます。

マルチ

世界時計

 岡田:「WATCH FACE」については、ただ単に多くの種類を揃えるだけではなく、ひとつひとつに意味のあるデザインを意識して開発しています。そこは、時計メーカーとして妥協できないという思いがありました。

 今村:アウトドア用途に特化するといっても、機能を追求するだけではダメなんですね。製品として世に出す以上、見た目は大切ですから。表示画面もそうですが、外装のデザインもそう。WSD-F10には、すみずみまでこだわりが詰まっているということを感じていただけたらうれしいですね。


スマートフォン連携を、 より多彩に、より快適に

——— 最後に、気になるスマートフォンとの連携方法について、ユーザーサポートを担当する加藤さんに聞きました。

 加藤:WSD-F10は、Android Wear規格のスマートウオッチ。そのため、スマートフォンの通信には、「Android Wear(TM)」のインストールが必要となります。また、「TOOL」「ACTIVITY」「MOMENT SETTER」機能をフル使用するには、「CASIO MOMENT SETTER+」のインストールが必要です。
もちろん、iOS端末との接続も可能ですが、使用できる機能に制限があります。対応スマートフォンや対応機能などの最新情報については、ウェブサイトにて随時アップしていく予定です。FAQなども用意し、ご購入後もWSD-F10を快適にご使用いただけるようコンテンツを拡充していきますので、ぜひ一度アクセスしてみてください。

新規事業開発部

加藤 祐幸

——— 機能ありきではなく、使う人ありきで開発された「TOOL」「ACTIVITY」「MOMENT SETTER」。知ることで広がる世界が、そこにはあるように感じます。そして、アウトドアマインドを刺激する「WATCH FACE」は、アウトドアはもちろん、日常生活でも優れたパフォーマンスを発揮してくれるでしょう。WSD-F10に搭載された機能には、開発者それぞれの信念、時計メーカーとしてのこだわりが込められています。


  • * iOS接続時には使える機能が制限されます。