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Vol.05
山岳ライターが太鼓判!
GPS搭載と多彩なアプリで 信頼できるスマートウォッチ

GPS機能を搭載したアウトドア向けスマートウォッチとして、この春、発売されたばかりの「PRO TREK Smart WSD-F20」。本モデルで採用された登山に役立つさまざまな機能を実際に試してみるべく、新緑が眩しい近郊の山に向かった。

腕時計にGPS機能がある安心感

登山において、「自分が今、どこにいるのか?」を正確に把握することは極めて重要です。なぜなら、現在地を見失った時点で、それは道迷い遭難のはじまりだからです。その観点から言えば、GPS機能と連動して現在地を示してくれる「ロケーションメモリー」というアプリはとても心強い。

もちろん自分の腕時計にGPS機能がついているからといって、それだけで安全な登山ができるわけではありません。事前のプランニング――登山口はどこで、どんなルートを通って、どこに下りるか――は必須ですが、そのプラン通りに自分がちゃんと動けているかどうかをGPSで確認できるのは安心感につながります。また、森林限界を超えた稜線上で強風にさらされているときや土砂降りの雨に降られているときなど、ザックやポーチから地図を取り出すのを躊躇するようなシーンでは、手元の時計で簡単に現在地確認ができるのは大いに助けられそうです。
行動した軌跡上に音声入力でメモを残すこともできます。実際、それぞれのポイントで「ケーブルカー乗り場」「阿夫利神社」「富士山の展望良好」などと声に出して言ってみると、音声を正しく認識してテキスト化してくれました。この音声メモは行動中の備忘録的な使い方ができるので、個人的には取材で山を歩くときにノートにメモを取る代わりに使ってみたいと感じる機能でした。


「MOMENT SETTTER」で行動管理

「アクティビティ」アプリを使えば、行動時間、移動速度、頂上までの残り標高、地図と移動ルートなどの情報をリアルタイムで表示してくれるので、自分のこれまでの行動を振り返り、これからの行動について判断する材料になります。そして、「アクティビティ」と連動して使うと便利なのが、特定の情報を設定したタイミングで通知してくれるアプリ「MOMENT SETTTER」です。

夏日を記録したこの日は、適切なタイミングで休憩や水分補給ができるように「1時間ごとに『休憩しましょう』を表示」でセットしてみました。それから1時間後、頂上をめざして黙々と登っていると、腕時計がブルブルと振動し、画面を見ると「休憩しましょう」の表示が。少し先に広くなった場所があったので、そこでザックを下ろして休憩し、水分補給もしました。
「MOMENT SETTTER」では、行動時間のほか、高度、消費カロリー、頂上までの残り標高差、日の出・日の入り時刻などの情報をもとにした通知設定ができるので、ペース管理や体調管理、登山のさまざまな場面での行動管理に役立ちそうです。


二層液晶ディスプレイで 優れた視認性

アウトドアシーンでデジタルウオッチを使うとき、視認性も気になるポイントです。WSD-F20はモノクロ液晶とカラー液晶を重ねた二層構造のディスプレイを搭載。地図や計測情報、通知はカラー液晶で鮮やかに表示されて、かなり見やすいと感じました。また、モノクロ液晶で表示される時刻は、太陽光が直接画面に当たっていても、はっきりと読み取ることができます。どんな環境下でもストレスなく時刻を読みとれるのは、アウトドアウォッチとしては必須の機能でしょう。

方位や高度、気圧、日の出・日の入り時刻などの登山時によく見る情報については、アプリを起動させなくても、TOOLボタンを押すだけで簡単に入手することもできます。

一方で、多彩な機能を備えていることは、バッテリー消費が早いという課題が生じます。WSD-F20は、常時カラー表示にして、GPSも毎秒測位・精度優先で利用していると、電池寿命は6~8時間。日帰り山行であれば問題はないですが、数日間の登山の場合は携帯用バッテリーを持参するなど、工夫が必要になるでしょう。

とはいえ、トータルで考えれば、多彩な機能とともに腕時計としての高い堅牢性・操作性・視認性を兼ね備えたWSD-F20は、アウトドアで使用するスマートウォッチとして、ユーザーのニーズを高いレベルで満たしてくれるはずです。
腕時計にかぎらないことですが、多機能化したデジタルツールは、ただ漫然と使うだけでは〝宝の持ち腐れ〟になってしまいますが、使う側が「こんなことをしたい」という明確なイメージを持てば、さまざまなことを実現してくれます。WSD-F20を自分流に使いこなせるようになれば、これまでとは違ったスタイル・視点で山を楽しめるようになるのではないでしょうか。


撮影/逢坂 聡 構成/谷山 宏典